クリニック地球33番地は消化器病学会専門医・日本肝臓病学会認定肝臓専門医が診療しています。内科・消化器疾患(肝臓病、胃腸疾患など)でお困りの方のご相談をお受けいたしております。

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院長コラム

院長からのコラムのご紹介です。医療・症例に関する情報を掲載してまいります。
高知新聞(夕刊)・ あしすと健康アドバイスに連載された記事です)

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お酒と肝臓:アルコール性肝障害

アルコール性肝障害は、脂肪肝から肝硬変までを含む幅広い疾患群です。わが国の全肝硬変の約15%はアルコール性肝硬変であり、職場健診などで多くみつかる脂肪肝の大部分は飲酒と肥満が関係しています。一日酒3合以上(大ビールなら3本、焼酎なら2合弱、ウイスキーならダブル3杯が相当)、5年以上の常習飲酒が診断の目安ですが、個人差や性差があり、特に女性ではこの半量でも危険域になり得ます。また、B型・C型肝炎の方は少量の飲酒でも肝障害が進展するため注意が必要です。一日5合以上、10年以上の大酒家は200万人以上と推測され、肝硬変まで進展するとされています。また、常習飲酒家や大酒家が、短期間に、さらに大量の飲酒をした時、胆石発作に似た症状とともに出現するアルコール性肝炎は非常に危険です。重症型では、その多くが1ヵ月以内に死亡します。土佐のお酒は端麗・辛口でつい過ぎる方も居られますが、適量を嗜むように心がけて下さい。


ノロウイルス

ノロウイルスは「おなかの風邪」と呼ばれる感染性胃腸炎を起こします。ノロウイルス感染症は年間を通して見られますが、特に冬場に多く発生するため、今の時期は注意が必要です。牡蠣などの二枚貝を生食して感染することはよく知られています。また感染した人が手を十分洗わず調理すると、汚染された食品も感染原因になります。ウイルスを含んだ嘔吐物が乾燥し、空中に漂うウイルスから空気感染することもあります。感染すると1-2日以内に嘔吐、下痢、発熱症状が出ますが、通常は2-3日で回復します。しかし、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児では脱水症状を起こし重症化する場合があります。一般的な対策として、食品は十分に加熱することです。また調理前や食事前、トイレ後には石鹸でよく手を洗うことです。嘔吐物で床が汚れた時は、ビニール手袋とマスクを着用してペーパータオル等で拭き取った後、家庭用塩素系漂白剤を50倍に薄めたものにひたした雑巾などで消毒して下さい。


高脂血症

高脂血症は血液中の脂質であるコレステロール(TC)や中性脂肪(TG)などが正常より多い状態です。日本人のTC摂取量は欧米に比し少ないとされていましたが、食生活の欧米化で、最近では日本人のほうが米国人よりTC摂取量が多くなっています。健診データからみると高TC血症患者はこの10年間で2倍に増加し、日本人の4人に1人(約3000万人)が高TC血症と推定されます。しかもその3/4(2300万人)が無治療と想定されます。自覚症状がないからと放っておくと動脈硬化が進み狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・動脈瘤・眼底や腎臓の障害などが起こりやすくなります。TGが1000mg以上になると急性膵炎になることもあります。遺伝的な体質や肥満、食べすぎ、運動不足、飲酒などが主な原因ですが、女性は更年期になるとコレステロールが上がりやすくなります。高脂血症と言われたら、食べ過ぎに注意、TCの多い食品を避け、油料理は1日2品まで、肉より魚、野菜・食物繊維を多く、アルコール・菓子・ジュース・果物を控え、適度な運動が大切です。


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